令和5年2月21日 財務金融委員会

令和6年に新設される「金融経済教育推進機構」の必要性や意義、機構が認定する中立的で信頼できるアドバイザーについて、
中立性をどのように担保するのか、そのような人材は本当に確保できるのかを問いました。

岬委員 皆様、お疲れさまでございます。日本維新の会、岬麻紀でございます。本日もよろしくお願い申し上げます。

 本日は、金融経済教育推進機構について、そして、租税特別措置について、さらに、インボイス制度について質問をさせていただきます。

 まずは、令和六年に新設される金融経済教育推進機構について質問をさせていただきます。

 金融経済教育については、先週金曜日の委員会において、どのように貯蓄から投資を促進していくのかという質問をしたところ、金融経済教育の推進など様々な施策を総動員して資産所得倍増につなげていきたいと鈴木大臣からの御答弁もいただきました。

 新設される金融経済教育推進機構については、資産所得倍増プランで、NISAの抜本的な拡充や恒久化と併せて、中立的な金融経済教育の機会の提供に向けた常設組織、金融経済教育推進機構、これを令和六年中に設置するとされています。

 この機構は、英国にある政府外の公共機関と言われるMaPSを参考にする、この英国機関は、二〇二〇年一月、ファイナンシャルウェルビーイングのための英国国家戦略二〇二〇―二〇三〇を策定し、金融教育の司令塔を担う、日本でも金融庁が事務局を担い、協議会などを通じて国家戦略を策定するとされています。

 まず、この新しい機構を法定化するその趣旨についてお聞かせください。

藤丸副大臣 お答え申し上げます。

 個人がライフプランに合った適切な金融商品を選択し、安定的な資産形成を実現するためには、国民の金融リテラシー向上に向けた取組が重要であります。

 金融経済教育推進機構(仮称)は、官民一体となって金融経済教育を広範かつ効率的に実施するために設立するものです。

 これまで金融経済教育は、政府や金融機関、団体が個別に取り組んできましたが、実際に教育を受けた認識のある者は少数で、広く国民に届いていない、政府や関係団体の取組が十分に調整されていない、実施主体が民間の団体では受け手に敬遠されるため、中立的な国が積極的に関与する必要がある、そういった指摘があります。

 新たな機構の活動を通じて、国民一人一人の金融リテラシー向上を図り、よりよい暮らしを送っていただけるようにしていきたいと考えております。

岬委員 ありがとうございます。

 まずは、この新しい機構の法定化をする趣旨を伺いました。

 そこで、既存の組織として、金融経済学習の支援等を行う金融広報中央委員会が存在をしております。ですが、資産所得倍増プランにおいて、同委員会の機能を新機構に移管、承継するということでしょうか。そうすると、法律で設置する新機構が行うことで、どのような変化があり、どのような改善が行われるのか、法定化する意義や必要性を改めてお聞きします。

井藤政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど副大臣の方からも答弁があったとおり、金融経済教育推進機構は、官民一体となって金融経済教育を広範かつ効率的に実施するということを目的としてございます。

 先生おっしゃるとおり、現在、日銀におきましても、あるいは業界団体等におきましても、金融教育はそれぞれ各般の取組がなされているところでございますけれども、金融教育を届けるべき相手は国民全体と言っても過言ではございませんで、こうした方々の隅々までに金融教育を幅広く提供していくためには、官民が一体となって効率的に金融教育を展開していく必要があろうというふうに考えてございます。

 こうした面では、官民の力を結集して金融教育を推進する機構の意義というのは極めて大きいものがあるというふうに考えてございます。

岬委員 ありがとうございます。

 法律によって位置づけるということは、業務としてできることがかなり付与されてくるということにもつながると思われます。同組織の設置がいわゆる官の肥大化であるとか、また、度々問題となっております天下り先につながるという批判も出るかもしれません。国民にとってどのような便益があるんでしょうか。分かりやすく教えてください。

鈴木国務大臣 金融経済教育推進機構につきましては、その必要性等について、先ほど来、御答弁をさせていただいているところでございますが、決して、これは必要なものであって、先生の御指摘のとおり、何か官の肥大化でありますとか天下りの受皿になるというようなことであってはならないし、そういうつもりでつくるものではないわけであります。

 したがいまして、この機能というものを適切に発揮させるために、金融や経済などに関する知識経験がある人材、これを適材適所に配置する必要がある。国民からそのような誤解を得ないようにしなければいけないと思っております。

 そうした観点から、機構の役員人事については、天下り先との批判を受けることがないよう、適切に対応していきたいと考えております。

岬委員 大臣、ありがとうございます。是非ともそのようにお進めいただけたらと考えております。

 さて、資産所得倍増プランにおきましては、消費者の金融知識の不足を補完をして、他方では、消費者が信頼ができる中立的なアドバイザーが求められます。資産形成について相談が中立的にできるもの、気軽に行える仕組みというのは、消費者に対して中立的で信頼できるアドバイザー制度の整備をするというふうにうたわれておりますが、この認定アドバイザーについて伺います。

 具体的な商品名を提示してアドバイスするためには、金融商品取引法で規定されている投資助言業の登録がまずは必要であるということですね。さらに、登録するということは、何と五百万円の営業保証金、供託金の支払いが必要だとお聞きしております。そうすると、実際に小規模事業者には非常に高額であり、ハードルが高いのではないでしょうか。

 この点、金融庁は、有識者会議において、助言対象をつみたてNISAやiDeCoに絞りまして、投資助言業の登録要件の緩和を検討することも提言をされています。

 しかしながら、金融機関からのキックバックに依存しない、そして非富裕層向けのアドバイスが、果たしてビジネスとして成立するでしょうか。そこがまずは疑問です。

 さらに、肝腎な、アドバイザーというなり手が本当に存在するのかという課題も浮かんできます。なぜならば、実態として、大半のファイナンシャルプランナーと言われる保険募集人や証券外務員などを兼ねているため、中立的な立場にある人材を見つけること自体が困難なのではないでしょうか。

 金融機関と全くつながりを持たないアドバイザーが中間層のサポートに専念できる環境を整備するという制度の理念に沿った人材の確実な確保というのはできるのでしょうか、集められるのでしょうかという指摘もありますが、その辺りはどのようにお考えでしょうか。

井藤政府参考人 お答え申し上げます。

 先生おっしゃるとおり、個人が、あるいは家計が資産形成をしっかり行っていくためには、良質なアドバイスを受けられるような環境を整備していくことは極めて重要だというふうに考えてございます。

 こうした中で、中立的なアドバイザーというものを認定して、個人がより気軽にそのアドバイスを受けられるような環境を整備していくことの必要性というものが、いろいろと指摘してきたわけです。

 先生おっしゃるとおり、そういったビジネスが成り立つために十分なフィーが得られるのか、あるいは、そういうなり手が十分いるのかというようなことはあろうかと思います。

 ただ、私どもといたしましては、こうしたアドバイザーによるアドバイスを普及させるという観点から、具体的には、今後、機構において、先ほど来御議論になっています金融経済教育推進機構というものにおきまして検討すべきことだというふうに認識してございますけれども、例えば、こうしたアドバイザーに対して、機構が行う企業向けセミナー等の教育事業の担い手として参加することを積極的に促していく、あるいは、個人が認定アドバイザーの相談を利用しやすくなるための支援についていろいろと検討し、また実施していくといったようなことは考えてございます。

 いずれにせよ、金融庁といたしましても、顧客あるいは家計が良質なアドバイスが気軽に受けられるような環境を整備できるよう、先生の御指摘も踏まえまして、今後検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

岬委員 ありがとうございます。

 気軽にというような相談環境を整える、セミナーなどを運営したりですとか、そういう機会をつくっていくということだと思うんですけれども、やはり中立的であるかということが非常に大事であり、それが実質的に保たれるのかというところは非常に疑問が残っておりますので、よろしくお願いいたします。

 また、中立性を担保するために金融機関からの報酬を得ないとすると、投資未経験者を含む顧客からの報酬だけであれば、やはりビジネスとしては到底成立はしないのではないか、厳しい状況ではないかと推察します。

 報道によりますと、当該報酬は無償又は少額とされています。その代わりに、アドバイザーに対して補助金を、資金の支援をしていく、援助をしていくということもお聞きしております。そうなると、税金を投じていくということになるわけですよね。そうする以上は、やはり、成果が出なければ、この機構をつくっていく、プランを進めていくこと自体が本末転倒になってしまいますので、是非、ここを改めて御認識をいただきたく存じます。

 新機構は、金融リテラシー向上のための教材ですとか統計作成といった仕事で満足することなく、金融機関や企業も巻き込み、国民の金融力の底上げにきちんとつながる支援をしていただけるような仕組みづくりをお願いいたします。

 それでは、次に、租税特別措置について質問を移らせていただきます。

 このテーマにつきましては、先日、二月十日に当委員会でも質問をいたしました。その際に、租税特別措置の必要性や政策の効果をどのように検証するかを伺いました。井上副大臣からは、各省庁の税制改正や既存の制度の延長を要望する場合に、その制度の効果等について、まずは政策を所管する各省庁において、必要性や政策効果について適切に評価すると御答弁をいただきました。

 そこで質問です。各省庁の税制改正や既存制度の延長を要望する場合とありますが、全部で三百六十六項目あるとお答えいただいておりますけれども、租税特別措置のうち、期限があるものが幾つで、また、期限のないもの、つまり恒久的な措置は幾つあるのでしょうか。

住澤政府参考人 お答え申し上げます。

 租税特別措置法に基づく特例措置につきまして、カウントの仕方について一定の前提を置いて整理をいたしますと、適用期限のないものが二百四十一項目、適用期限のあるものが百二十五項目、合計三百六十六項目になっております。

岬委員 ありがとうございます。

 では、次に、期限のある措置については、井上副大臣が御答弁いただいたスキームに乗ってくると考えることができます。しかし、恒久措置の租税特別措置ですと、いつ、どのように効果検証が行われているのか、効果をどのように測っていくのかというのは、至って見えてはこないのですが、この辺りはいかがですか。

住澤政府参考人 お答え申し上げます。

 期限のない租税特別措置の中には、税負担の軽減を図るものとして今措置されている通常の期限つきの租特と同様の性格を持っているものもございますし、他方で、例えば、利子所得の源泉分離課税のように、長い期間にわたって課税方式そのものの特例を定めている、そういった安定的な運用を図る必要があるようなものも入ってございます。また、手続の特例というようなことで、例えば、特別償却について重複適用を禁ずるといったような規定のような、減収額が観念されにくい、そういった性質のものも混在しているということについては御留意いただきたいと思います。

 これらの期限のない租特につきましても、減収効果のある法人税関係の租税特別措置につきましては、租税特別措置の透明化に関する法律に基づきまして、適用件数、適用金額、適用の偏りなどを調査の上、報告書を作成し、効果の把握、検証を行っているところでございます。

岬委員 ありがとうございます。

 今御答弁をいただきました。租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律の第四条第一項のお話だったと思います。ここには、財務大臣は、法人税関係特別措置について、適用額明細書に記載された事項を集計することにより、法人税関係特別措置ごとの適用法人数、適用額の総額そのほかの適用を調査するものとするとございます。これらの規定から、適用実態調査を行っていることは認識ができました。

 そこで、この適用実態調査の対象が、現状、法人税のみとなっているのはなぜでしょうか。

住澤政府参考人 お答え申し上げます。

 この適用実態調査の実施に当たりましては、納税者の方々に対しまして適用額明細書という書類の作成及び提出ということで、一定の事務負担をお願いすることになります。

 法人税につきましては、基本的に、全ての法人が申告を税務署に対して行うことになっておりますので、納税申告の際にこの明細書の提出を求めるということが、実務的にも合理的であり、また、対応もある程度可能だという事情がございます。

 他方、所得税などの納税者の場合について見ますと、所得税の納税者の大半は、確定申告を行っていない、年末調整によって課税関係が終了している給与所得者の場合が多うございます。かつ、法人と比べても、個人の場合は、こういった申告に伴う事務負担能力に限りがあるということもございますので、こういった個人に対して新たな事務負担を課すことには慎重であるべきという考えもあったことから、この租特透明化法に基づく適用額明細書の提出については、法人税関係の減収を伴う租税特別措置に限定してお願いすることとされたものと承知をしております。

岬委員 お答えいただき、ありがとうございます。

 そこで、租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書というものがありまして、その中には、五ページに、これは上位の十社に限ってここに報告がされております。この十社の適用額及び割合を表示している理由、なぜ十社なのか、何か理由はあるんでしょうか。

住澤政府参考人 お答え申し上げます。

 この租特透明化法におきましては、租税特別措置の適用状況の透明化を図るとともに、適切な見直しを推進し、もって公平で透明性の高い税制の確立に寄与するということを目的といたしまして、先ほど申し上げたような報告書を作成して、財務大臣から国会に御報告をするということになっているわけでございます。

 この租税特別措置の見直しを行うに当たりましては、これがどのように利用されて、どのような効果を生じているかについて、ある程度明らかになるような措置を講ずることが必要でございます。その際、この個々の措置の適用上位社の状況が公表されることによりまして、適用が想定外に特定の社でありますとか特定の業界に偏っていないかといったようなことを明らかにする、また、公平の原則に照らしまして、国民の納得できる必要最小限の特例措置となっているか、こういったことを判断していく材料といたしまして、上位十社について公表しているということでございます。

 この上位十社という数字についてですけれども、これは租特透明化法の制定当時におきまして、集計に係る事務作業量ですとか、あるいは、業種等の偏りをお示しするためにどの程度の社数にすれば必要十分であるかといったような観点を勘案して検討され、現状の十社という数字になったものと承知をいたしております。

岬委員 ありがとうございます。

 このように適用実態調査がきちんと行われているとするならば、是非ともこれをしっかりと御活用いただいて、不要なものはしっかりとやめていくという御判断もこれから速やかに行い、精査をしていただければと考えます。

 次に、この義務づけの対象となっていない税目について調査をしていないというのはなぜでしょうか。また、義務づけの対象となっていない税目は調査をする必要はないという認識なんでしょうか。この辺りはいかがですか。

住澤政府参考人 お答え申し上げます。

 法人税だけが対象になった理由につきましては、先ほど御説明したとおりでございまして、所得税等につきましてこういったことを求めた場合、ふだんは確定申告を行っていない納税者の方についても新たな事務負担を課す可能性があるということが背景であったと承知をいたしております。

 他方、租税特別措置につきましては、租特透明化法に基づく報告のほかに、所管省庁におきまして政策評価等を行うに当たって、アンケート調査等の手法によって利用実態の調査を行っており、これに基づいて議論が行われてございます。例えば、先ほどのジュニアNISAなどについても、適用件数が僅少だということもあり、廃止に至った経緯もあるわけでございます。

 今後も、租特透明化法の報告書や各省庁の調査等も踏まえまして、租税特別措置の不断の見直しに取り組んでまいりたいというふうに考えております。

岬委員 ありがとうございます。

 それでは、次に、三つ目のテーマです。インボイス制度について御質問させていただきます。

 本年十月に導入を控えているこのインボイス制度ですが、私ども日本維新の会では、インボイス制度そのものに反対をしているというわけではありません。しかし、余りにも反発が多く、皆さんが困惑をしているという声が続々と届いておりますので、これはいかがなものかと言わざるを得ない今状況でございます。

 免税事業者から、取引が排除されるであるとか、納税負担や事務コストの負担が重いという声、様々な委員からも、様々な党からも声が上がっています。

 今回の税制改正では、免税事業者が課税事業者への転化をした場合の負担軽減措置であるとか、少額取引の場合にインボイスを不要とする特例等が設けられていますね。このインボイス制度に関して、これまで、消費税引上げ延期に伴う導入の延期であるとか、免税事業者からの仕入れ税額の控除の特例に関する経過措置期間を後ろ倒しにしていただくであるとか、さらには今回の経過措置による特例の創設、またインボイス発行事業者登録の期限の後ろ倒しなど、様々な展開を、流動的というか、よく言えば柔軟にという言い方もあるかもしれませんけれども。

 そうなると、私の印象としては、制度自体が安定していないなという気持ちになるわけなんです。事業者の多くの方がここに不安を覚えているのではないか、懸念を抱いているのではないか。それはある種、当然でもあると私は考えます。

 そこで質問ですが、この実態調査によりますと、インボイス制度が複雑でよく分からない、こういった御意見がアンケート調査で回答の約五割を占めております。今回の改正より、複数の経過措置があることによってどんどん複雑化しているような感じです。このインボイス制度、このままでいいのかなという大変不安を持っておりますが、政府としてはどのようなお考えでしょうか。

井上副大臣 岬先生の御質問にお答えしたいというふうに思います。

 インボイス制度への移行によりまして、免税事業者のままでいた場合に取引から排除されるのではないかという御不安や、課税事業者になったとしても価格転嫁ができない又は新たな事務負担が生じるのではないかということ、それから、制度自体が今御指摘ありましたように複雑で分からないということ等が中小・小規模事業者の方々の御心配だろうというふうに思っておりまして、その点について説明をさせていただければというふうに思います。

 まず、免税事業者のままでいた場合の御心配についてでございますが、免税事業者であっても直ちに取引から排除されることがないよう、制度移行後も六年間は免税事業者からの仕入れであっても一定の割合を控除できるようにするなど、十分な経過措置を設けているところでございます。こうした取組をまた周知していきたいと思っています。

 次に、課税事業者となる場合の御心配については、免税事業者を始めとした事業者の取引について、独禁法、下請法等の取扱いをQアンドAにより明確化し、各事業者団体への法令遵守要請を行うなど取引環境の整備に取り組むとともに、引き続き、独禁法等に基づく書面調査の実施や下請Gメン、相談窓口での対応等の取組を実施し、適切に対処していきたいと思っています。

 また、令和四年度補正予算におきまして、持続化補助金について、インボイス発行事業者に転換した場合の補助金額五十万円一律引上げをしております。それと、IT導入補助金について、インボイス対応のため、より安価な会計ソフトを購入できるように補助対象を拡大など、様々な支援対策の充実を図ってきたところでございます。

 さらに、令和五年度税制改正におきましては、免税事業者がインボイス発行事業者になった場合の納税額を売上税額の二割に軽減する三年間の負担軽減措置、一定規模以下の事業者の行う一万円未満の取引について、インボイスの保存がなくとも帳簿のみで仕入れ税額控除を可能とする六年間の事務負担軽減措置、それから、インボイス発行事業者の登録申請の期限について柔軟な対応などを講じることとしております。

 最後に、制度が複雑でよく分からないという御心配については、中小企業団体相談体制の整備のため、予算措置などで対応しております。

 インボイス制度は、複数税率の下で適正な課税を確保するために必要なものであります。引き続き、制度の円滑な実施に向けて、関係省庁と連携しながら、制度の内容やこれからの支援策をきめ細かく事業者の方々に周知してまいりたいというふうに思っています。

 以上です。

岬委員 ありがとうございます。

 いろいろと支援策があるということで、柔軟に対応している、きめ細かく対応しているということをおっしゃっているんだと思いますが、何度もいろいろな議員から、委員からも聞かれていて、同じように懸命にお答えいただいているのは分かるんですが、この様々な支援というのがより一層分かりづらい。どんどんどんどん後に倒されていくことによって、こんな六年も先のことを言われても不透明過ぎて、やはり、該当者になる方、当事者にとってはただただ不安なだけ、訳の分からないだけという結果になりかねないのではないかと思われます。

 本日、午前中に、党は違いますけれども、藤岡委員が、心を痛めていないかというお話がありました。やはり、国民の一人一人が、常に心配で不安でどうなっていくんだろう、これ自体がよろしくない。象徴の言葉だったなと、私は、今日、大変印象深く残りました。

 鈴木大臣が何度も御答弁もされています。事業者の方にとって分かりやすく簡素な仕組みとすべきです。大臣は、今のインボイス制度、分かりやすく簡素な仕組みになっていないのが現実なんですけれども、財務省、インボイス制度について何度も御答弁されていますが、周知徹底して、丁寧に説明して、御理解いただくだけでは不足しています。やはり、理解して、納得がいただけて、さらに、やっていただくために受け入れられるという体制にしないとこれは一向に進まないのではないかと感じておりますが、これらを含めまして大臣の御見解、最後にお聞かせください。

鈴木国務大臣 ただいま井上副大臣から答弁をしたところでありますが、インボイスの円滑な実施に向けまして、負担軽減措置、あるいは各種の支援策、これを令和五年度の税制改正や令和四年度補正予算において実施をしているところであります。

 こうした措置がかえって複雑さを増しているのではないか、こういう御指摘でありますので、そういう面は確かにあろうかとも思います。したがって、これから重要なのは、十分にこうした措置を御説明して、先生がおっしゃるとおり、理解をしていただき、納得をしていただき、受け入れていただく、そういう努力をこれからするということが大切であるんだ、そういうふうに思っております。

 具体的には、今回の税制改正における負担軽減措置や補助金などの支援措置を分かりやすくまとめたリーフレットの作成、税務署の窓口や確定申告会場での配布、全国ネットでのテレビCMや全国紙への広告掲載、インターネットを活用した広報、インボイスコールセンターの体制の拡充といった取組を行ってまいりましたが、さらに、こうした周知、広報の推進に際しまして、新たに内閣官房において関係省庁会議を立ち上げまして、重点的に支援すべき業種や業界を見定めて必要なサポートを行うこととしております。

 今後も、制度の円滑な移行に向け、関係省庁と連携しながら、制度や支援策について丁寧に周知徹底を図ってまいりますが、先ほど申し上げましたが、先生おっしゃるとおり、納得して、受け入れていただけるように、これからもしっかりと対応していきたいと思います。

岬委員 繰り返し御答弁いただき、ありがとうございます。

 とにかく、力業でやってしまったなんということにならないよう、本当に国民一人一人が、弱い者いじめだ、そんな印象になってしまわないように、力業だけではやれないということを御認識いただいて、何とかよろしくお願いいたします。

 今日はありがとうございました。失礼いたします。